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“ものづくり「はじめまして」から「だいすき」まで”。そんなコンセプトをもとに生まれたアソビル3階『MONOTORY』は、ものづくりを気軽に楽しむことのできる施設です。
ここでは、毎日が誰かのものづくり記念日。その架け橋として活躍している、MONOTORYオフィシャルアーティストたちにも、「はじめまして」から「だいすき」になるまで、たくさんのストーリーがあったはず。
今回は電動ろくろや手びねりによる、陶芸ワークショップの講師をしている、陶芸家・佐川清人さんにものづくりに始めたきっかけや、思いについて聞いてきました。
KIYOTO SAGAWA(佐川 清人) プロフィール
大学在学中に陶芸と出会い、その魅力に引き込まれ作陶に没頭。
卒業後は、茨城県工業技術センター窯業指導所(現・茨城県立笠間陶芸大学校)にて基本技術を習得。その後、陶芸家のアシスタント兼スタジオチーフとして約3年間修業し、視野を広げ造詣を深めるために、アメリカ・ウィスコンシン州立大学大学院へ留学。
[Instagram]:https://www.instagram.com/kiyoceramics/
––佐川さんが陶芸に出会ったきっかけは何ですか?
一番最初に陶芸を体験したのは、多分幼稚園ぐらいなんですよ。
おばあちゃんと一緒に、笠間か隣町の益子(栃木県)に行って、陶芸の体験をしている写真が残っていて。その時は陶芸家になるとは全然思ってなかったけど、それが出発点なのかな。楽しかった記憶が、なんとなく自分の中にあったんだと思います。
直接的なきっかけは、大学の時に受けた陶芸の授業。もともと教師になろうと思って入学した教育学部で、美術の選択授業に陶芸があったんです。最初は木工とか彫刻をやろうと思っていましたが、いざやってみたら予想以上に面白くて。
授業には陶芸家の方がきてくださって、基礎から色々学ぶことができました。それで、気づいたら陶芸にはまってましたね。当時使用していた電気窯は温度調節が手動だったので、授業後も夜中つきっきりで窯をみることが多かったです。
だから、みんなでパーティや鍋をしたり、騒ぎながら窯をみて。たまに窯の上でピザ焼いたり、芋焼いたりもしていました。そんなことも一つの魅力で。陶芸室は24時間あいてたので、一人でひたすら練習して、自分と向き合ってものを作ることもできました。
––経歴にアメリカへの留学経験がありますが、なぜ海外へ行こうと思ったんですか?
大学を卒業して、茨城県工業技術センター窯業指導所というところで一年間基礎を勉強した後は、陶芸家の元で修行していました。その先生は、もともと20年間くらいアメリカの大学で陶芸を教えていて、アーティストとしても活躍されていた方で、「陶芸家っていうのは、技術だけじゃなくて表現することも大切だ」ということを学びました。
けっこう影響を受けたと思います。修行をはじめて3年になったころ、独立するのか海外に行くのかという話になって、アメリカに行ってみようと決めました。
––実際に表現の幅は広がりましたか?
そうですね、広がったと思います。
アメリカでいろんな作品を見てインスパイアされたのはもちろんありました。見知らぬ場所で暮らしているっていうだけで、刺激がたくさんあるので。母国語ではない言葉を聞きとるだけでも常に気を張っていたので、それまでとは全然違う感性が働いていたのを覚えています。景色も人との出会いもそうですし、そういった感情が作品に反映されることも多かったかな。
▽アメリカにいた時の佐川さんの作品
––アメリカから戻ってからは何をされていましたか?
ある程度、自分の表現したいものを作れるようにはなっていて。じゃあその先はどうしようって思った時に、自分で作ったお皿とかに載せるものも自分でプロデュースできたらいいなって。
和菓子とかが好きだったので、学んでみたいと思い、京都に行きました。それで、和菓子屋さんで1年半くらい働いてました。ただ器に載せるために学ぶというよりは、和菓子で用いる技術自体も、陶芸に活かせるんじゃないかと思っていました。
––和菓子屋さんですか!ちなみに、そういったインスピレーションを受けるものや、表現するものには、なにか軸があるのでしょうか?
日常生活の中で自分が感動したものを、自分のフィルターを通して粘土で表現したいと思っています。なんかこう、自分の心が揺さぶられたものを表現したいかな。だから、特に何を表現したいとかはあまりないですね。
時にはメッセージ性も持たせつつ、自分の感じた気持ちを表現して、それを見た人や使った人たちに、何かしら感じてもらえたらいいなとは思っています。
––ここまで佐川さんのこれまでについて伺ってきましたが、これから実現したいことがあれば教えてください。
アーティスト活動は国内外でやりたいです。
自分の工房兼ギャラリーができたらいいなと思っています。陶芸を教えることもしつつ、作品も見てもらえるような場所。あと、工房で作ったお皿を使ったカフェも併設できたら、楽しいですよね。
––MONOTORYでは、どんなことを伝えていきたいですか?
MONOTORYで教え始めてから、「楽しかったからまた来たよー!」とリピーターの方にいただけたのが、すごく嬉しかったんです。ここで体験される方は初心者の方が多いんですけど、その人の”人生の中での、初めての一歩”に関われるっていうこと自体に感動がありますね。この仕事をやっていて満たされる気持ちで、光栄に思っています。
なので老若男女、色々な方々に来ていただきたいですね。陶芸ってハードルが高くてできなかったという方へ、「ここだったら入りやすいな」と感じて、始められるきっかけになればいいなと思っています。いざやってみたら、はまっちゃった、みたいなこともあるので。
––最後に、これから陶芸を体験される方に向けて、一言お願いします!
粘土に触れること自体も楽しんでほしいなと思っています。子供の頃、土に触れた記憶とかも思い出しながら。粘土って触っていると気持ちいいので、リラックスできたり集中できたりするので、そんな時間も楽しんでいただけるといいですね。
複数名でいらっしゃる場合は、完成品の個性を比べてみるのも面白いと思います。同じグラム数の粘土で、同じ形を目指して作り始めても、どれ一つとして同じ作品は出来上がらないので。
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