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つい立ち寄りたくなる、”回らない”お鮨屋さん!「立ち食い鮨 鈴な凛」インタビュー

前回のDAIGOMI BARGERから始まった、1F POST STREETの飲食店インタビュー。

今回は、職人が握る本格的なお鮨(スシ)を、”立ち食いスタイル”でカジュアルにいただく、「立ち食い鮨 鈴な凛」をピックアップ!!

 

目指すは鮨のバリアフリー!生産地の想いをつなぐ、職人の店

 

お鮨屋さんと聞くと、なんとなく「ちゃんとしなきゃ」とかっちりした気持ちになりがちだけど、鈴な凛の店内をつつむ空気はちょっと違います。本物の技術をもつ職人がていねいに鮨を握る姿と、リラックスしたり談笑をしたり、思い思いの過ごし方をするお客様たちの姿。そんな空間が心地いいんです。

ハイレベルな味と、親しみやすさが同居する、その秘訣とは?店長の関さんに、「立ち食い」に込められたお店の哲学や、鮨にかける想いを伺っていきます!

 

 

−−本日はよろしくお願いします!さっそくですが、『鈴な凛』という名前はどんな意味なのでしょうか?

 

のれんにもシンボル的に描かれている“神楽鈴”が由来になっています。この神楽鈴の鈴の付き方と、果実が群がってなるさまが似ていることから、物や人が群がり集まることを「鈴なり」と呼ぶようになったそうです。

私たちのお店も同じ想いを持った仲間たち、お鮨を楽しんでくださるお客さまが自然と集まる場所にしたい。そんな思いから、『鈴な凛』という名前になりました。

 

 

あえて「凛(り)」という当て字を使っているのにも、意味がある。ただ自分たちがやりたいことをやって楽しく集まるだけではなく、日本の伝統を受け継ぐ職人として”凛”としていたい、そんな意志を表しています。

 

−−鈴な凛、すてきな言葉です!人が集まるということを大切にされているのですね。

 

そうですね。人と人とのつながりは、お店がとても大切にしていることです。それがよく表れているのが、「仕入れ」に対するこだわりです。私たちの考える「仕入れ」とは、人脈の結晶。「美味しい鮨」とは、そこに関わってくださる様々な人たちの想いも、いっしょに握る鮨だと思っています。

 

 

「海からカウンターまで」、想いをいっしょに握る鮨。

 

 

−−人脈の結晶である「仕入れ」。気になります。

 

生産者のこだわりを、直接目の前のお客さんに伝えられるのは僕たちだと思ったんです。

以前、築地に本社があったころは、築地市場で魚を仕入れていたので、生産者の顔までは見れていなかった。こだわりや、想いの部分を汲み取ることは難しかったんです。もちろん、築地=高品質ですが、もっと自分の目で見て、納得感を持って魚を仕入れたいという思いが強くなっていきました。

 

 

そんなことを考えた店主が、自ら全国へ足を運んで食材を探し始めました。漁港をはじめ、農園や畑、工房など…様々な世界で魂を込め、熱をもって向き合う職人さん達や生産者の方々との出会い。「お客さんにいいものを届けたい」という“共感”により、自然に人脈が紡がれて、そのまま仕入れ先になっていきました。

だから、「海から店のカウンターまで」いろんな人の思いが乗っていることを意識して、毎日鮨を握ります。一つ一つストーリーを持った食材が、鈴な凛でしか味わえない鮨を生みだしているんです。

 

 

−−仕入れた食材をおいしく生かす秘訣を、ちょっぴり教えてください。

 

店に各地方の魚が届いた段階で、二人の職人による目利きが始まります。「仕込み」のスタート地点はここです。まずは、そのままの鮮度を楽しむ魚と、熟成(寝かす)して味を楽しむ魚を見分けて、さらに使い分けをイメージしながら包丁を入れます。ここで鈴な凛のこだわり「赤酢シャリ」が基準となり、”赤酢シャリに合わせて魚を寝かす”ことをしています。

 

 

シャリに赤酢を使うことも、大きなこだわりです。酒粕だけの”濃い赤酢”と、米酢入りの”薄い赤酢”をブレンド。赤酢は酒粕を発酵させているので、まろ味と甘みがあって、たくさん食べても飽きのこないキリッとしたシャリに。

漁港直送の旬な魚や、定番のものまで、多種多様なネタをそろえる鮨屋ならではのこだわりです。

 

 

−−個人的にずっと気になっていたのですが、お茶を淹れている湯のみもステキです。

 

ありがとうございます。実はこれ、80歳のおじいさんが一つ一つ作ってくれているもので。全国を訪ねているとき、いいご縁があってお願いするようになりました。色も鈴な凛オリジナルに調整してくれています。描かれた「鈴な凛」の文字が1つ1つ微妙に違っているのも、手仕事ならではです。

 

 

−−今回アソビルに2号店として誕生した「立ち食い鮨 鈴な凛」のコンセプトを教えてください!

 

本店と変わらず、「好きなものを好きなだけ」本格的なお鮨を誰でも気軽に食べてもらう、というのがコンセプトです。

「日本の誇る伝統食」、「継承される職人技と技術」、「目利きで選んだ確かな食材」…そんな本格的なお鮨がもっと気軽に食べられたら…というありそうであまりない鮨屋を「立食い」という大衆的なスタイルで実現させました。気が向いたとき、小腹がすいたとき、「つまむ」ことが、元来の鮨の在り方なので。職人としての技術を保ちつつ、なるべくカジュアルな店内、価格、接客を心がけています。

 

 

−−最後に、今後の目標などがあれば教えてください。

 

お客さんに喜んでいただきたい、本物のお鮨を愚直に届けていきたいという思いはこれからも変わりません。個人的にもお店としても、最終的に「お客さんの方を向いて仕事をする」という目標は忘れずにいたい。

店舗も増やして、上から下まで全国でやっていきたいです!

 

−−本日はありがとうございました。

 

「このネタには、一体どんなストーリーがあるのだろう」そんなことを想像しながらいただく鮨も、また乙です。

自分たちの信じたいいものを、たくさんの人に届けたいというまっすぐな思い。そして、関わる人々に対する誠実さ。自然と人が集まり愛される理由はここにありました。

 


立ち食い鮨 鈴な凛

 

[営業時間] 11:00 – 23:00(LO: 22:45)
[電話] 045-594-6381
[座席数] 20
[平均予算] Lunch: ¥980, Dinner: ¥1,800
[URL] 新メニューの情報などはこちらから!
    ● Official Site 
    ●Instagram

2019.07.31